今日のブログは、不法投棄防止を呼びかける「秋のパトロール」が本日で終了したという話です。
このパトロールは、毎年春と秋に山形県、庄内地区の市町村、山形県警察、そして廃棄物処理業者が一緒になって行っているもの。人里離れた山林などに不法投棄がないか見回り、啓発を行っています。
今年のパトロールは、ちょっと様子が違いました。
それは「熊よけの鈴」を携帯しての巡回。ナラの実の不作が影響しているのか、今年の熊の目撃件数は昨年までとは比にならないほど。しかも不法投棄されやすい場所というのは、人の気配が少ない山林——まさに熊のテリトリーです。
最近では市街地でも出没しているとのことで、撃退スプレーが完売しているというニュースも耳にしました。みんな買うだけ買って、そのまま防災バッグの奥に眠らせるんでしょうね。けれど、いざ処分しようとすると「これ、どうやって捨てるんだっけ?」となる。スプレー缶は使い切って捨てるのがルール。でも撃退スプレーを“使い切る”なんて、現実的にちょっと怖い話です。
そして、今年もやっぱり不法投棄はあるのでした。
テレビのニュースでは流れないけれど、現場に行くと毎年同じような場所で見つかる。そこに置かれているのは、誰かの“いらなくなったもの”ではなく、誰かが“置いていった責任”です。
パトロールを終え、山の静けさの中で熊鈴の音を聞きながら、ふとそんなことを思いました。
「守る」というのは、不法投棄のないきれいな山も、そして人と熊との距離感も、両方なのかもしれません。