812/1000 身体がリアルに知っていたこと
ここ数ヶ月、歯が痛かった。
神経は取ってある歯なので、歯そのものが原因ではないことは分かっていた。
それでも、じんじんとした違和感が続いていた。
歯医者で診てもらうと、
歯の付け根の奥が炎症を起こしているらしい。
さらに診察を進める中で、先生が言った。
「だいぶ、くいしばってますね」
その一言で、点と点がつながった。
思い返せば、痛くなり始めた頃から、
なかなかしんどい状況が続いていた。
気を張り、踏ん張る場面が多かった。
そのとき私は、気持ちの上で歯を食いしばっていた。
そしてその状況に呼応するように、
身体はリアルに、就寝中まで歯を食いしばっていたのだ。
気持ちの緊張と、身体の緊張。
別々のものだと思っていた二つが、
実は同じ線の上にあった。
先生はマウスピースを作りましょうと言った。
しかも保険適用だという。
歯を抜かなければ治らないのでは、
そんなところまで考えていた私は、
原因と対処法が見えたことで、少し肩の力が抜けた。
歯の痛みは、まだ残っている。
でも、
しんどい状況に耐えてきた自分と、
そのまま身体を固め続けていた自分が、
きれいにつながった。
そのことが、
いちばんの処方箋だったのかもしれない。

