34/100 今年も白鳥飛んで来たよ
今朝、白鳥の鳴き声を聞いた。
姿は見えない。
空のずいぶん高いところから、あの独特の鳴き声だけが聞こえてくる。
シベリアから飛んできたのだろうか。
毎年のことなのだけれど、白鳥の声を初めて聞くと、
「ああ、今年も来たか」
と思う。
白鳥は夜のうちに飛んでくることが多いような気がする。
それとも、交通量も少なく、町がまだ動き出す前の静かな朝だから、空からの鳴き声がよく通るだけなのかもしれない。
いずれにしても、私にとってあの声は「冬へのスイッチ」が入る音だ。
ついこの前まで暑い暑いと言っていた。
ところが10月に入り、朝夕はすっかり涼しくなった。
月山では紅葉が進み、8合目あたりは来週頃までが見頃だという。
テレビでその様子を見たが、紅葉の美しさより先に、
「ずいぶん寒そうだな」
と思ってしまった。
山から紅葉が下りてきて、
空から白鳥がやってくる。
片方は上から下へ。
もう片方は遠い北から庄内へ。
そうやって、この土地の季節は少しずつ冬へ向かっていく。
まだ冬というには早い。
でも今朝、空の高いところから聞こえてきたあの声で、確実に季節が一つ進んだ気がした。

