981/1000 兆しについて
数か月前、大切にしていたボールペンがなくなった。
記念に頂いた一本で、いつも持ち歩いていたお気に入りだった。
バッグの中も、車の中も、会社の机も何度も探した。
それでも見つからず、「もう出てこないかもしれない」と諦めていた。
ところが先日、会社の更衣室のロッカーから、ひょっこり姿を現した。
「こんなところにいたんだ。」
飛び上がるほど嬉しかった。
もちろん、ただの探し忘れなのかもしれない。
でも私は、この出来事を「兆し」だと感じた。
最近、少しずつ心が穏やかになってきた。
ちょっと俯瞰して物事が見え始め、「ありがとう」と思える瞬間が増え、人との会話もどこか柔らかくなった。
すると、不思議なことに、よく眠れる日が増えたり、身体が軽く感じられたり、小さなことに幸せを感じられるようになってきた。
そして、失ったと思っていたボールペンまで戻ってきた。
私の経験では、大切なものが戻ってきたり、体調が少しずつ良くなったりすることは、不思議と同じ時期に起こることがある。
それは偶然なのかもしれない。
でも、心が整うと、見える景色が変わる。
以前は気づかなかったことに気づき、見落としていたものが見えてくる。
だから私は、それらを「兆し」と呼んでいる。
毎日は劇的には変わらない。
けれど、小さな良いことが少しずつ重なり始める。
そんな時は、「何か良い流れが来ているのかもしれない」と素直に喜ぶようにしている。
世界は、心を映す鏡なのだと思う。
だから今日も、自分の心を整えることを大切にしたい。
そうすれば、また何か大切なものが、そっと戻ってきてくれる気がするのである。

