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毎日ブログ

2026/02/15
820/1000 それぞれのバレンタイン   

昨日はバレンタイン。

末の娘がキッチンを占領している。

毎年この時期は姉たちと取り合いだったが、今は独壇場。湯せんの音と甘い匂いが家に広がる。

 

「板チョコ買ってきて」

 

コンビニで値札を見て、少し立ち止まった。

一枚200円越え。

 

私の記憶ではなぜか108円。

物価は上がると聞いているが、自分の中の基準はなかなか更新されない。

 

たとえば、英国の名門 Crockett & Jones の革靴。

昔は6万円台だったモデルが、今は10万円を超える。


良い靴だと分かっている。

似合うだろうとも思う。

それでも、昔の値段を知っている身としては――

流石に手が出ない。

 

だから中古市場がにぎわうのかもしれない。

“記憶の価格”に近いから。

 

そんなことを考えている横で、娘はチョコを刻み、溶かし、流し込む。

無言で、黙々と。

 

そこへ妻がひと言。

 

「買ったのそのままやったら?」

 

きっとキッチンの掃除のことについて考えているであろう妻は

実にドライだ。

 

娘は聞こえないふりをして、また混ぜる。

 

そして息子。

ワイヤレスイヤホンを装着し、別世界。

私の世代でバレンタインといえば、「もしかして」みたいな妄想をチラッとでもしたものだが、

現代の男子は興味がないのか、何を話しても、会話にはならない。

 

甘い匂いのキッチン。

値段に引っかかる父。

現実的な母。

自分の世界にいる息子。

 

同じ家の中で、それぞれが違う温度でこの日を過ごしている。

そんな日々ももう数年で無くなるのかと思うと寂しさが漂った。


2026/02/13
818/1000 それぞれの目線で見るオリンピック   

熱戦が続く

ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック。

我が家でも、自然と会話の中心になっている。

妻は言う。

「あの床擦るやつ、すごいねー」

——カーリングのことだ。

 

娘は

「あのシュー・シューって滑るやつ面白い」

——スピードスケート。

 

さらに会場の山々を見て、

「ここ景色きれい。行ってみたい」と目を輝かせる。

 

すると妻は、

「景色とか興味ない。京都がいいなー」と話題を日本に戻す。

イタリアから一瞬で京都へ。わが家らしい。

 

そして息子は、少し腕を組んで、

「まぁ、スキーならやってもいいけどね。」

となぜか上から目線だ。

 

私はというと、

先輩社長のご親戚でもある

荻原大翔選手(おじいさんが鶴岡の人)のスノーボードビッグエアに注目している。

あの数秒の空中にすべてをかける姿。

メダルを信じて応援している。

 

同じテレビを見ているのに、

見ているものはみんな違う。

 

景色を見ている人。

京都を思っている人。

スキー目線で語る人。

空中の一瞬に胸を熱くする人。

 

それぞれの目線で楽しみながら、

同じ時間を共有している。

 

オリンピックのすごさは、

メダルの色だけではなく、

こんな夜をつくってくれるところにあるのかもしれない。

 

そしていよいよハーフパイプ男子決勝。 鶴岡市のお隣、村上市出身歩夢がんばれ〜

我が家もまた、それぞれの目線で応援している。


2026/02/11
816/1000 100℃の価値   

今年はいろいろとチャレンジしたいと思っている。

だからこそ、

デフォルトでやるべきことを前倒しでどんどん進めている。

準備は早いほうがいい。

余裕があるほうがいい。

だが最近、強く思うことがある。

大切なのは、「やり切る」ことだということだ。

99%まで仕上げたつもりでも、

その時が来ると、また最初から見直す羽目になる。

資料も、仕組みも、覚悟も。

結局、未完成は未完成だ。

100%までやってしまえばいい。

そこまで持っていけば、

あとはボタンを押すだけで済む。

この「押せる状態」まで持っていくかどうか。

ここが分かれ目だと思う。

ふと思い出す。

昔、ゼミの先生が言っていた。

「99℃では水は沸騰しない」

99℃と100℃。

たった1℃の違いだが、

状態はまるで違う。

99%までやることは、

実は1%と変わらないのかもしれない。

沸騰しない限り、

水はただの熱い水である。

今年は、

“熱い水”で終わらせない。

やり切る。

沸騰させる。

その1℃を取りにいく。

2026/02/09
814/1000 これが都会の声量なの?   

正月に仕事だった長女が、今になって帰省している。

「何食べたい?」と聞くと、返ってきたのは「ココスー!」。

都内にはあまりなくて、子どもの頃から家族で通っていた、あのココスに行きたいのだという。

 

いつもの四人の食卓に長女が加わると、一気に賑やかになる。

笑い声が重なり、声量も自然と上がる。

気がつくと、周囲の席からちらちらと視線が集まっている。

その横で、長男は「勘弁してよ」という顔。

そして、小さな声でぽつりと聞いてきた。

「これが、都会の声量なの?」

訝しむようなその一言に、思わず笑ってしまう。

都会かどうかは分からないが、少なくともこれは“姉がいる日の我が家の声量”だ。

食後、「ボーリングでも行くか〜」という流れになったが、

妻はボーリングが苦手ということで却下。

代わりに始まったのが、なぜかオセロ大会だった。

優勝賞金3,000円。

この金額が、家族を本気にさせるにはちょうどいい。

一気に場の空気が変わる。

私もオセロなんて久しくやっていなかったので、

父の威厳を保つべく、こっそりネットで定石をチェック。

こういうところは、我ながら抜け目がない。

女性陣は、とりあえずの一手を置いていくスタイル。

作戦は特にない。

息子は、なんとなくコツがあることには気づいていたようだが、

見事に私の術中にハマっていった。

結果、優勝は私。

賞金3,000円を手にして、少しだけ得意顔になる。

 

長女のおかげで、楽しい夕食だった。


2026/02/07
812/1000 身体がリアルに知っていたこと   

ここ数ヶ月、歯が痛かった。

神経は取ってある歯なので、歯そのものが原因ではないことは分かっていた。

それでも、じんじんとした違和感が続いていた。

歯医者で診てもらうと、

歯の付け根の奥が炎症を起こしているらしい。

さらに診察を進める中で、先生が言った。

「だいぶ、くいしばってますね」

その一言で、点と点がつながった。

思い返せば、痛くなり始めた頃から、

なかなかしんどい状況が続いていた。

気を張り、踏ん張る場面が多かった。

そのとき私は、気持ちの上で歯を食いしばっていた。

そしてその状況に呼応するように、

身体はリアルに、就寝中まで歯を食いしばっていたのだ。

気持ちの緊張と、身体の緊張。

別々のものだと思っていた二つが、

実は同じ線の上にあった。

先生はマウスピースを作りましょうと言った。

しかも保険適用だという。

歯を抜かなければ治らないのでは、

そんなところまで考えていた私は、

原因と対処法が見えたことで、少し肩の力が抜けた。

歯の痛みは、まだ残っている。

でも、

しんどい状況に耐えてきた自分と、

そのまま身体を固め続けていた自分が、

きれいにつながった。

そのことが、

いちばんの処方箋だったのかもしれない。