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毎日ブログ

2025/06/27
588/1000 岩ガキの季節に、父を想う  

庄内浜の初夏といえば、やっぱり岩ガキ。


「牡蠣といえば冬でしょ?」と思われるかもしれませんが、それは“真ガキ”の話。

庄内浜で旬を迎えるのは“岩ガキ”。春から夏にかけて冷たい雪解け水が流れ込むことで、身がぷっくりと太り、クリーミーで濃厚な味わいに育ちます。この時期にしか味わえない、まさに海の恵みです。


そんな岩ガキにまつわる、父の昔話をひとつ。


海辺の温泉街にあった父の実家は、決して裕福とは言えない家。けれど目の前には海がありました。海開き前のまだ冷たい磯に潜っては、牡蠣やワカメを採って空腹をしのいでいたそうです。


ある日、観光客がその様子を見て「その牡蠣、食べてみたい」と声をかけてきた。

父が焼いて差し出すと、その味に観光客は大喜び。

それを見た父少年、ピンときた。


「自分で食べるより、売った方がコスパがいいかもしれない」

そこからが父の真骨頂。

観光客が来そうな時間を狙って磯に潜り、網で牡蠣を焼く。

香ばしい香りが届くように工夫し、タイミングを見て、醤油をジュッと垂らす。

香りに誘われて足を止めた観光客に焼きたてを差し出せば……もう、完売。


もしかすると、父の“商いのセンス”は、この頃に芽生えたのかもしれません。


今、この季節に岩ガキを味わうと、父の話がふっと蘇ります。

磯の香りと、ジュッという醤油の音とともに。


でもね、本当に好きな人はこう言うんです。

「生で、レモン汁を搾ってどうぞ」と。


魚屋さんに牡蠣が並び始めると、夏が来たなあと実感する今日この頃です。

2025/06/25
586/1000 浮かれないって、実は最高の幸せ   

何にも考えず、ひたすら寝る。

この数日、それしかしていない気がする。

3回目のコロナを経て、体も頭もシャットダウンモード。

ただ眠る。食べる。水を飲む。

そんな動物的な時間を過ごしていると、

逆に自分の中に、静かなスイッチが入るのがわかる。


「さて、次は何だ?」


そう思った瞬間から、自然と次のミッションに向かって

淡々と準備を始めている自分がいる。

この感覚、昔はなかった。


イベントが終われば打ち上げたくなって、

何かがうまくいけば、誰かに話したくなって、

落ち込めば、誰かに慰めてほしくなった。


でも今は違う。

次のステージへ。

ただそれだけを、静かに見つめている。


浮かれないで生きていられるってのが、

実は自分にとって、一番の幸せなのかもしれない。

余計なアップダウンがないから、

ちゃんと味わえるんです。

毎日の小さな手応えとか、

ゆっくり治っていく体の声とか、

ごはんがうまいとか、

それが一番だってことを。


2025/06/23
584/1000 ビンゴとストラックアウトと、夏至の揺らぎ   

いつも、私の頭の中には“ビンゴ大会”のカードみたいなToDoリストがあって、

それを“ストラックアウト”の要領でシュバシュバとタスクを消していくのが日課です。


会議、資料、講話、連絡、現場確認、手配、ブログ……

ひとつずつ投げて当てて、消していくのが快感なんですね。


で、先週。

そのToDoの半分ぐらいが、一気にどさっと終わりまして。


気がつけば、リストはスッカスカ。

ビンゴ大会だったら「はいビンゴ〜!」って大喜びのはずなのに、

私の体はなぜかドッと重くなっていました。


“やること”があるうちは、

脳も体も“やるモード”になっているんだけど、

それが一気に終わると、急に電池が切れたみたいになるんですね。


それに加えて、日中の暑さと夜の涼しさ。

夏至とはいえ、こうも気温差があると体も迷子になりそうです。


——というわけで、今日はゆるめ運転で。


残ってるタスクも少しはあるけど、

それも“的外れ”にならないように、

今日はちょっと狙いを定め直す日にします。

2025/06/21
582/1000 「絶対に負けられない戦い」の、その先に  

「絶対に負けられない戦い」

そんな表現を、僕ら日本人はどうも好むらしい。

気づけば、自分の人生も、そんな“負けられない場面”に踊らされて来た気がする。


仕事、家族、地域の役割。

「ここは譲れない」「ここだけは…」と、自分に言い聞かせながら。

でも、ふと立ち止まって思う。

それは一体、誰との勝負だったのだろうか?


誰に勝つ必要があったのか。

勝ったところで、本当に得たかったものは手に入ったのか。

その答えが、実はずっと曖昧だった。


50歳を前にして、ようやく少しずつ見えてきた。


もう、誰かの尺度や物差しで自分の在り方を決めなくてもいい。

「自分はどうしたいのか」その問いを軸に選ぶようになった。

いや、もうすでに、選んでいる。


自分で選び、自分で納得し、自分でケツをまくる。

そんな生き方が、少しずつ自分の中に根を張っている。


勝ち負けじゃない。

どう生きて、どう終わるか。

腹をくくる先に、ようやく「自分らしさ」が見えてくる。


そんなことを

会社の経営というものを通して、僕は教えられた気がする。


社長業10年目の年。

ここまで来て、やっと本当の意味で「できる」と思えるようになった。

そして今、心から思う。


きっとこれからが、いちばん面白くなる。

2025/06/19
581/1000 覆面ピンチと、感度の話。   

ピンチはチャンス。

何度も耳にする言葉だけれど、

実際にチャンスへと変えられる人は、“感度”が高い人だと思います。


ただ、厄介なのは、

その“ピンチ”が、ピンチらしく姿を現してくれないこと。


先日も、ある出来事がありました。

表向きはうまくいっているように見えて、実際、周囲からも「よかったですね」と言われた。

でも、内心、何かひっかかっていたんです。

言葉にしづらい、ざわざわした違和感。


結果として、その“ひっかかり”は的中しました。

あとから振り返れば、あれは明らかに「覆面ピンチ」だったのです。


「順調」とか「ラッキー」とか、

そう思っていた時こそ、疑ってみる冷静さが必要なのかもしれません。


感度を研ぎ澄ますって、

実は、違和感をスルーしないこと。


チャンスを掴む以前に、

その覆面の下にある“ピンチの顔”を見抜けるかどうか。


日々の暮らしのなかで、

そんな目線を持っていたいなと思います。
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